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【詩人の回転レシーブ 2】 ピンチでパンチ! いきなり、ピンチである。 何から何までアクジュンカンする時は、何から何まで頭痛の種になる。 そんな時には、淡々と目を覚まし、日々の仕事をし、焦らず、愚痴言わず、誰かのせいにせず、謙虚に行動するにかぎる。誰も誉めてくれなくても、他人に期待せず、怒られても、率直に謝る。 でも、それができないのよね。深夜にケータイを握りしめて、本体が生温くなるまで愚痴ってるし、目的と目標がうかうか入れ代わって見失ってるよ自分、となる。こんな体勢をたてなおすためには、やっぱり、目の前のひとつひとつに集中するしかない。 さて、詩人の回転レシーブ*CD制作は、5人と1組のコラボレーション相手をみつけたものの、CDのくせに音関係者が一人もいないという事実に直面した。CDだから音の人といっしょにするという方針をあえて立てなかったのは、ごめん、わたしである。 腕組みしたディレクターが言った。「これはCD-ROMじゃないの?」で、うっかり「いいねえ」と相槌うってしまったのだ。だがしかし、わたしはゲームしない、コンピュータも達者じゃない、今だにTVも電子レンジも持ってない古臭さ人間なのである。ROMって、何ができて、何が面白いの?白い紙に赤ペンで書いた。「大ピンチで大パンチ!」 ●助けて、SUPER LOVERS パンチは右ストレート。軽くジャブして、ピポット。腰をひねる。動線をつたい肩から右腕をつきだす。サッとひっこめる。わたしの片腕は「SUPER LOVERS」。 これまでにない詩の見せ方を展開し話題を呼んでいる「ラジオデイズ」http://radiodays.cool.ne.jpという二人組がいる。昨年の夏、東京・ウエノポエトリカンジャムで出逢った。お互い関西で活動していたので面識はあったが、そのうちの一人、長い髪を束ね、クールな技術屋さん風情の山本拓海と喋ったのははじめてだった。二言ほど喋り「いつか仕事しようよ」と目線で交わした印象がある。その半年後には仕事に追われて困るようになったわたしが、彼に手伝ってもらう事態が度々発生し、これはユニット結成だね、とスパラヴは生まれた。音響やデザイン、企画などを彼が担当し、わたしは原稿書き、出演者という役割。ROM制作なら、彼が威力を発揮してくれるのではないか。返事はok。二日後には、ROMアイデアを提出してくれた。インターフェィスのラフ案などもまもなくあがってくる。 ●気球に乗って、つき山いくよ 彼女は、関西秘蔵のアーティストだ。ダンサーの山下残、音楽家の野村誠あたりから紹介されたように思う。出逢いは96年。当時わたしが主宰していたシタゴコロプロジェクトのワークショップに参加してくれた。マイペースにキュートに真剣な日々を生きる人だ。なんとも愛らしい丁寧な仕事ぶりにいつも感動する。お誕生日には、灯る電柱を背に唄とダンスを贈ってくれた。ある時は夕御飯の後「もやしのダンス」を秋の公園で踊ってくれた。客はわたしだけ。 今回のプロジェクトに彼女の参加要請は必至だった。雨の5月。カフェの2Fでカフェオレを飲みながら、今度のCD-ROMどんなことしようかあ、とふたり窓辺を眺めていた。「ちょっと考えてみたんだけど」と彼女からアイデアが飛び出す。 ●人文字 手旗信号 手話(自分たちで捏造) ●わたしのテキストの一部分を外国語に訳し、彼女がそれを読む。 ●跳び箱朗読 ●トランポリン朗読 ●「ココロのトリ」(つき山:作)の旅をわたしが詩にする ●ふたり 気球に乗って去っていく。 SUPER LOVERS
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